はじめに
私は2013年にパニック障害と診断され、長い間薬とともに生活してきました。今回の記事では、抗不安薬を服用し続けてきた経過、そして妊娠をきっかけに「薬を飲まなくても大丈夫になりつつある」変化について記録します。もし同じように薬と付き合いながら日常を過ごしている方がいたら、参考になればと思います。
パニック障害と薬の始まり
当時、フルタイムの仕事と趣味で多忙に過ごしていた私は、ある頃を境に体調とメンタルの両面が崩れてしまいました。
診断されたのはパニック障害。主治医から処方されたのは、抗うつ薬のサインバルタと抗不安薬のソラナックスでした。
数年後にはソラナックスのみとなり、1日半錠弱という少量を続ける形に。振り返ると実に12年間、薬を飲み続けていたことになります。
続いていた症状と薬に頼る安心感
長く続いた主な症状は吐き気でした。
- 不安を感じると吐き気がこみ上げる
- 実際に咳き込みそうになる
- 外出時は薬を飲むと安心できる
このため、「外出する日は服薬、家にいる日は飲まなくても大丈夫」というスタイルが定着していました。
妊娠をきっかけに訪れた転機
初めての妊娠がわかったとき、産婦人科で服薬状況を伝えました。先生からは、
- ソラナックスは禁止すべき薬ではない
- ただし、かかりつけのメンタルクリニックで今後の投薬方針を相談してきてほしい
とのアドバイスがありました。
メンタルクリニックの主治医からは、
「飲まないほうが良いに越したことはない。ただし半錠程度なら大きなリスクは少ない。不安な時に頓服として飲む形に変えてみては」
と提案を受けました。
徐々に薬を飲まなくても過ごせるように
妊娠中はつわりによる吐き気が不安の種でしたが、幸い私の場合は症状が軽めでした。そのため、次第に「薬を飲まなくても大丈夫かもしれない」という気持ちが芽生え、徐々に服薬せずに過ごす日が増えていきました。
深層心理で「赤ちゃんにとって少しでも安全でありたい」という思いも、断薬を後押ししたのかもしれません。
流産後も薬を飲まずに挑戦
残念ながら流産が発覚しましたが、その後も不思議と薬を飲まずに過ごせる日が多くなりました。
特に大きな挑戦だったのが、自然排出から約4週間後の歯医者受診。
実は、私にとって歯医者はパニック障害を引き起こしたきっかけの場所で、これまで薬なしで臨むのは難しい場所でした。
当日は薬をポケットに忍ばせつつも、結局飲まずに治療を終えることができました。少し緊張や吐き気はありましたが、自力で乗り越えられたことが大きな自信になりました。
今後についての気持ち
完全に薬をやめられるかはまだわかりません。ですが、以前の自分と比べて確実に変化があることを実感しています。
- 薬に頼らなくても外出できる
- 「飲まなきゃ」と思う場面が減ってきた
- 少しずつ自信が積み重なっている
これからも無理をせず、断薬の方向へ進んでいければと思います。
おわりに
パニック障害や抗不安薬との付き合いは、人それぞれの経過があります。私の場合は妊娠をきっかけに断薬が進みました。今回の妊娠の経験がなければ今も変わらず飲み続けていただろうなと思います。
私の経験を一例として、同じように薬と向き合う誰かの希望や安心につながれば嬉しいです。